ブラジル三人旅④。

ぶるーな

2016年02月15日 04:37

サンパウロの街で、買い物やらを済ませたその夜。

明日の朝、リオデジャネイロに向かう早朝のバスに乗るため、早めに就寝。

といっても、時差ボケ真っ最中の三人。

寝たり起きたり、とにかく体を横にして、夜の暗い時間は眠る努力をする。

朝、ちょっと気分が悪そうだった長女は、初日から大好きなお洋服を買ったりして、

すっかり元気。

ほっとしたのもつかの間、添い寝している2歳の長男の体が、熱い。

全身が、湯たんぽ状態。

これはまずい。

何といっても、明日の朝は早起きして、6時出発のバスに乗らなければいけない。

3人のうち、誰かが体調不良だと、日程が狂ってしまう。

何としても、この長男の熱を下げなければならない。

私がこれまで体得した育児の知識と知恵を集結し、

まずは、この熱が何なのかを診断。

咳、鼻水を伴っていないことから、風邪ではない。

環境の急激な変化によって引き起こされた、一時的な発熱であろう。

ということは、汗をかけば、さっと熱は引いていくはず。

熱を測りたい気持ちはあったが、

ここで義母や義姉に「体温計貸して」と言い、

実際に2歳の長男に38度もの熱があると知られた時にゃ、

絶対に「ポスチンニョに行かなきゃ!」

「明日リオは行かないほうがいい」

と、言われかねない。

はい。

わかります。

病気の子どもを連れて、長旅などできませぬ。

が、しかし。

今回のブラジル3人旅の目玉は、リオ観光なのだ。

予算がないにもかかわらず、ブラジル人の主人でさえも行ったことのないリオに、

どうしてもいかなければならない理由が、私なりにあるのである。

それは、長女に「リオ」を見せたかったこと。

ブラジルを、もっと身近に感じてもらいたかったこと。

きっと来年(もう今年)のリオオリンピックで、

ブラジルは注目される。

テレビにもよく映るであろう。

その時に、

ブラジル国籍も持ち、ブラジルの名前もついている彼女が、

ブラジルに興味を示さなかったら、私はさびしい。

これまでのブラジル生活や旅行の経験はあるが、

幼すぎた彼女の記憶に残っているブラジルは、少ない。

でも今回、彼女は10歳。

しっかり、体験を記憶に残せる歳になったのだ。

2歳の長男の面倒もある程度任せられる、頼れるお姉ちゃん。

彼女に、オリンピックの開催地リオデジャネイロを、知ってほしい。

きっとそれが、彼女のアイデンティティの構築にも欠かせないはず。

リオオリンピックが始まるその前に。

とにかく、リオにいかねばならないのだ。

3人のうち、一人でも体調不良だと、日程が狂う。

リオ滞在予定は一泊のみ。

明日の朝までに、なんとしても、長男の熱を下げなければ。

私のこれまでの育児経験の知識と知恵を集結し、

長男の熱の原因を診断。

咳や鼻水の風邪症状は見られない。

きっと環境の急激な変化に伴う、一時的な発熱であろう。

決して、重篤な病の兆候ではない、、はず。

ということで。

添い寝している長男を抱きながら、

私の祈祷が始まる。

「大丈夫大丈夫。下がる下がる。熱は下がる。」

「汗かけ汗かけ。」

数時間後、思った通り、額や背中にじんわり汗が。

よしよし、この調子。

汗をタオルでふき取りながら、だんだん熱が引いていくのを感じ取る。

今37度台。

体温計などなくとも、母にはわかるのだ。

そして、すっかり汗をかき切った長男。

何事もなかったかのように、お目覚め。

よし。平熱。

ミッション、クリア。

私も、何事もなかったかのごとく、リオへの旅支度。

誰にも悟られることなく、

この一晩の闘いを征した、なんとも言えない達成感。

きっと、ひどい母親と思われるかもしれない。

しかし、これくらいでオドオドするなら、

誰が母一人で、ブラジルまでこんなおチビを連れてくるものですか。

大丈夫。

この、自分でもあきれるほどの、根拠のない自信。

それが私を動かしてしまうのである。

朝5時前に義母宅を出て、地下鉄に乗る。

ブラジルらしくない、綺麗すぎる地下鉄。

ほら、子どもら元気♪

サンパウロから長距離バスで、約6時間でリオに行ける。

ブラジルの感覚では、6時間のバス移動は短いほう。


途中一回、休憩。

車窓から見るリオは、工事中のところが多い。

オリンピックに向けて、いろいろ整備中のようだ。

頑張れ~。働け~。

ほらほら、リオだよー、と声かけするも、時差ボケ中の子どもらは爆睡。


狭い車内で、よく眠るわ。

心配していたお天気も、悪くない。

リオに着いた瞬間の、むわっとした空気。

これぞ、ブラジルの夏。リオの夏。

私にとっては三度目のリオ。

治安の心配はあるけれど、何といっても主人の長女Kちゃんが一緒だから心強い。

Kちゃん、よろしく~。

さー、楽しむぞ~。

・・・続く・・・

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