完・Brasil!!

ぶるーな

2013年12月31日 17:17

荷造りを終え、お迎えのタクシーを待つ。

義姉が空港まで一緒に行ってくれることになっていたが、

義母とはここでお別れ。

約10年前に初めてあった頃は、ゲートボールを楽しみ、

おいしい手料理もたくさん作ってくれた義母。

ブラジルで二女を出産したときには、サンパウロからマリンガまで

手伝いに来てくれるほど、元気だった。

しかし患った難病は、目に見える形で進行している。

室内の移動はできるが、いつ転んでもおかくしくない。

幸い記憶力や判断力など、精神面は以前と変わらずしっかりしているので、

自分でも絶対転ばないように気をつけてるよと笑う義母。

義母のためにも、絶対にまた近いうちに子ども達をブラジルに連れてこなければ。

この旅行中に、あらためて義母の移民人生を聞かせてもらった。

義母には、日本で生まれた4人の兄姉がいたが、

そのうち、一緒に移民船に乗れたのが2人。

日本に残された2人の兄姉の消息も、正確にはわからない。

ブラジルで一緒に育った兄弟姉妹も、他界した。

義母も50代には出稼ぎで日本に働きに行っていたそうだが、

もう2度とは行かれないねと、寂しそうにつぶやいた。

2005年に、「ハルとナツ」というブラジル移民をテーマにした橋田寿賀子のNHKドラマがあったが、

まさにそんな人生を義母が送り、同じように多くの日系移民が送ってきたのだ。

苦労を重ねてきた義母には、これから穏やかに幸せに過ごしてもらいたい。

ソファに座ったままの義母に見送られ、空港に向かう。


時間にも余裕があり、チェックインも問題なし。

義姉が夕食とおやつをかねて、たくさんサウガード(軽食)やパネトネ(クリスマス時期に食べるケーキ)を持たせてくれる。

最後の最後まで、姉が付いていてくれて、本当に心強かった。

ゲートに入り、長男と2人きりになったとき。

本当に寂しくて、泣きそうな気分。

でもここで気合を入れなおし、まずは10時間のNYまでのフライト。

長男もご機嫌よく過ごしてくれた。

泣き喚くこともなく、着陸態勢に入って全員座席に座っている時。

長男のおしりからあの大音量が。

とともに、なんだか膝元に違和感が・・・。

うっそ・・・もれてる...。

こまめにトイレにも連れて行ってオムツ替えてたのに。

着陸10分前に。しかも私のズボン汚すまで。

ベルト着用のサインが点いているので、トイレにも行けず。

まさに途方にくれていたとき、

ちょうど斜め前に座っていたCAが、異変に気づいてくれた。

私が座っていた席は、ちょうど機内の中央あたりで、

離着陸時だけ座るCAと、向かい合わせになっていたのだ。

CAはさっと立ち上がり、トイレから大量のタオルペーパーをわしづかみにして、

私にどばっと手渡した。

とりあえず応急処置的に、長男のおしりを押さえ、私の汚れた膝のみを拭く。

それ以上のことは何もできないので、とにかく早く着陸してくれと願う。

と同時に、このただならぬ香りが周囲の皆様に届かぬようにと、願う。

着陸後、ベルト着用のサインが消えた瞬間、トイレにGO。

手早くおむつ交換と着替えをし、先ほど助けてくれたCAにお礼を言って飛行機を出る。

はー。やれやれ。

最後の最後、あと10分だったのに。

しかも私の服を汚されるのは想定外。

なんとか拭き拭きして、汚れを落として沖縄まで我慢することとする。

乗り継ぎの際に、一度荷物を受け取るので、そのときにスーツーケースを開き、

長男の着替えとオムツを補充。

先ほど大量に出たので、きっとこの後沖縄まではウ〇はないだろう。

そう予測して、必要最低限の着替えとオムツ数枚だけを取り出し、

再度スーツケースを預ける。

しかし、この読みは甘かった。

NYから成田まで。14時間のフライト。

お隣の席に、長男と同じ生後3ヵ月の赤ちゃんが一緒。

英国紳士のご主人と、日本人の奥さんは、赤ちゃんを連れての初めての旅との事。

お互いオムツを替えたり、おっぱいをあげたり。

ベビーベッドも二つ並べて、おネンネしている時間も多かったが。

ウチの長男、なぜかトイレが多い。

しかも、さきほど大量に出たはずなのに、トイレに行くたびに、ウ〇。

そして何度かお洋服も汚してしまう。

着替えとオムツは最低限しか用意していないので、気が気でない。

とにかく汚さないようにと、きちっとオムツをあて、こまめにトイレにいくも、

何度も大きな爆発音を響かせている。

最後にはお隣の英国紳士もこちらを向いて苦笑い。

「お互いご苦労様です~」

という顔で返事をし、最後の最後までトイレ通い。

思い起こせば、サンパウロの義母宅でやった「おしりこちょこちょ」の効き目?

オムツも激減し、成田空港で買い足すことを決意。

そんなこんなで14時間のフライトを終え、

乗り換えの手続きをしながら、オムツを探す。

私のイメージでは、すぐに売店があって手に入れられると思っていたのだが、

国内線のゲートに入るまでのルートにはたまたま店がなく。

ま、ゲートに入ってからも売店があるだろうからと、楽観的にゲートインしたら、

もうそこにはお土産や軽食を売ってる店しかない。

しまった。

と思ったが、もう遅い。

オムツは全くないわけじゃなく、あと一枚はある。

沖縄までの約3時間。

ウ〇さえなければ、きっと大丈夫。

ただ、沖縄到着時に、すぐに手に入れたいので、

成田から家族に電話。

「悪いけど、オムツ持ってきて!」と依頼。

冷静に考えれば、スーツケースにもまだ残っているので

荷物を受け取ったら問題ないはずなのだが、

極度の不安感からか、とにかく「沖縄に着けばオムツがある」という

確信が欲しかったのだろう。

成田から沖縄までの、この旅最後のフライト。

機内も空いていて、それだけで開放感。

また、国内線なので日本人のCAさんがまるで家族のように見える。

あ~。日本に帰ってきたんだー。

たった一週間なのに、なんともいえない安心感。

3時間のフライトは、あっという間。

CAさんに最後に機内で記念撮影をしてもらったが、

どうしてももう一枚、カメラに収めておきたい場所があった。

それがこちら↓。

失礼。機内のトイレ。

オムツ替え台があるだけで、本当にありがたかった。

最後のオムツで、最後のオムツ替えをして、感謝の記念撮影♪

どのフライトでも、何度もお世話になったオムツ替え台。

実は今回、機内だけでなく、行くところどころのオムツ替え台を記録に残した。

←NYニューアーク空港。
非常にシンプルな台のみ。ベルトやクッション等なし。

←成田空港。
トイレとオムツ交換台が同じ空間にあると、ママ助かる。
ブラジルやアメリカでは、あまりこのタイプない。

変な趣味でこの写真を集めたわけじゃないのだが。

母子2人旅だったので、長男の写真を撮るのもひと苦労。

というわけで、オムツ替えるときだけがシャッターチャンスだったので・・・。

11月23日(土)夜9時すぎ。

沖縄那覇空港に無事到着。

パパと子どもたち、おばあちゃんが迎えてくれた。

ただいま~。

あっという間の、一週間。

めっちゃ濃かった、一週間。

きっと二度とは味わえない緊張感と、使命感を持って臨んだ旅。

生後3ヵ月で、この過酷な旅を元気に楽しんで?くれた長男にまず感謝。

そして沖縄で待っててくれた家族に感謝。

また強硬スケジュールにあわせてくれた、ブラジルの皆さんに感謝。

そして、FBやブログを通して、旅の無事を祈ってくれた皆さんに、心から感謝。

これからも、きっとまたブラジルへ行くだろう。

できる限り、家族みんなでいけたら、というのが本音。

それにしても、やっぱ遠いな~。

Viva BRASIL!!





~おしまい~

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